ZARD BLEND ～SUN & STONE～ / ZARD

「ベスト盤は出さない！ベスト盤を出したら、アーティスト生命が終わってしまうから。」それが坂井泉水さんが良くおっしゃっていた言葉です。確かに、それまでのアーティストはベスト盤を出した頃には大抵影が薄くなって行くのが通例でした。売れなくなってきたからベスト盤を出そう、という風潮が多かったからです。

しかし、時代はどんどんベストアルバム時代へ入って行きました。当時、本当にいろいろな有名アーティストがベストアルバムを出していました。そして、”ベストを出しても終わらない”アーティストがたくさん現れます。むしろ、ベスト盤を出したことで復活する様な動きまで出てきました。昔は、自分だけのベスト盤をカセットテープに作る事を皆楽しみにしていましたが、それをレコード会社がやってしまう時代が来たと言えます。（さらに後にはコンピレーションという言葉に変わり、レコード会社の枠を超えたベスト盤が出る様な時代にもなります。）

そんな動きが出てきたので、泉水さんとしても会社に貢献したいという思いもあったでしょうから、ベスト盤を出す事を許したんでしょう。でも、ただではベスト盤を作らない。だってZARDですから。とことんやります。

全曲ミックスをやり直しです。しかも表立って言えませんが、何人ものミキシングエンジニアがミックスをやっています。日本人では覚えているだけで4人、そしてアメリカからは二人のエンジニアが招かれました。一人はマイケル・ブラウアー。そしてもう一人は、セリーヌディオン(Celine Dion)の名作「Celine Dion/Falling Into YouFalling Into You」にも参加しているあのエンジニアも。（いまいちZARDには合っていなかったようでボツになっちゃいましたが。）

音を差し替えたり追加したりカットしたり、いろいろしていますから、本当に単なるベストではありません。特にマイケルブラウアーのミックスした「こんなに愛しても~Hold Me~」は、全く別の国の曲かと思えるくらい、世界観が変わっていて素晴らしい。オリジナルと聴き比べてみてほしいですね。