Recording

なみだの真珠 / 森下真子

アーティスト名
森下真子
タイトル
なみだの真珠

【Haruka’s Voice】

本物

人のつながりとは、やはり凄い物ですね。(TOMOさんから)紹介されたとある社長さんが抱えている、アイドル(?)の卵さんでした。そのオーラはありましたよ。とてもきれいな方で、エレガントな女性っぽくて。(そんな方に尊敬されるような話し方をされると、とても戸惑ってしまいました。)まだ発掘中のような感じでしたから、レコード会社やプロダクションがバックについたプロジェクトではなかったと記憶しています。

このプロジェクトは、いろんなプロの方が関わっていました。(残念ながらその方々の名前も何もかも、全て記憶を消してしまっている様です。)

当時日本ではR&B(テイスト)の曲がはやっていました。安室奈美恵さんや宇多田ヒカルさんなんかがドカンと出ていた頃ですね。そんなテイストの曲を作らせたらぴか一なのが、この曲の作曲・アレンジャーの方。本物の黒人さんですから、本物です(^ ^)。コーラスに参加していただいたMelodyさんも本物の黒人さんです。(ですから、お二人との会話は英語でした。

本物を感じました。それまでもいろんな本物に会ってきましたけれど、ブラックミュージックの本物とは会った事がありませんでしたから。ですから、すんごいなあと思う事はたくさんありました。

「黒人はリズム感がいい」と当たり前にいわれますからそれは置いておきますが、コーラスなどの歌のうまさはぴか一でした。ピッチはとても正確、ブレスのタイミングなどもばっちり、声質もちゃんと合わせて歌えるなどなど、技術は相当凄かったですね。

アレンジにしてもさすがでした。余計な音が入っていないんですよ。スカスカです。出てくる音も大していいとは思えないような単なるサンプラーの音。でも、それが曲になると、全部が意味をちゃんと持ってくる。凄いですね。マジックです。これは日本人には真似が出来ないのかも知れません。

よく日本と欧米の音が比較されます。日本の音は悪いと。原因は「電圧が違うから」とか「空気が乾いているから」などと言われる事が良くあるのですが、『もっと根本的な何かが違うのだな』ということに気付かされましたね。「こりゃ日本人は勝てない」と痛感しました。(だから同じ土俵で勝とうと思う方が間違いだということも。)

(確かに、アメリカでミックスしたら音が変わった、ってことはたくさんあります。私がその方面で一番びっくりしたのが、TM Networkの「Kiss You」(「DRESS」に収録)です(私がまだ高校生の時でした)。リミックスなのですが、いくつかトラックがカットされています。”こんな音はいらない”というのはカットしてしまうのがアメリカ。で、そうしたらどなったかというと、すんごく”抜ける”んですよ。パワフルというか。全然ちがいますから、聴きくらべてみて下さい。)

森下真子さんはどうやらアイドルとしてデビューもしてるみたいですね。僕の関わっていた曲もCDとして発売されているみたいなんですが、ネットで検索してもヒットしないし、公式サイトもなくなっちゃってるみたいです。素質は十分あるのに、マーケットに乗らなければ・・・というのが、やはりこの世界の常識なのですね。素質なんか無くても、マーケットに乗りさえ・・・…(自主規制)。