AGUA. / TOMO
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【Haruka’s Voice】
高いTOMOの可能性とサウンド
TOMOの声の伸びやかさ、透き通った感じを全面に出してみたつもりです。ラテン系のアグレッシブな感じで、まるで草原で大きく両手を広げてTOMOが歌っている様な、そんなイメージを常に抱きつつ音作りをしていた記憶があります。子供のコーラスを入れたことで、サウンドに広がりが出ました。
製作陣(ミュージシャン、スタッフ)をプロで固めているところも力を入れた点です。著名なところでいえば、マスタリングエンジニアにあのSEIGEN-ONO(オノセイゲン/小野誠彦)さんを起用しています。僕のつたないミックスのクオリティを格段にあげてくれました。ドラムには山背弘さん(当時でも、ACCESSやT.M.Revolutionの浅倉大介バンドやhitomiなどにも参加してました。)、作曲やキーボードには岡田祥希さん、ガットギターにはラテン系では有名な田嶌道生さん、ベースには渡辺哲也さん、などなど著名な方を多く起用させていただきました。
アートディレクタさんとかフォトグラファさんとかヘアメイクさんとかのスタッフも、その道のプロの方に協力してもらいました。(TOMOやスタッフの人脈のすごさですね。私一人ではここまでは絶対に無理ですから。)
若いってパワーあります。
メディアからも、少々評価を頂きました。
『新進気鋭のボーカリストのデビュー作。ボサ・ノヴァ、サンバ、フォルクローレ調のポップスなど、様々なタイプの曲を彼女の歌声でナチュラルかつ透明な世界に浄化してしまっている。疲れた心に元気が戻ってくるリラクゼーションポップだ。(CDジャーナル)』
正直言えば、独立前(メジャーレーベルの子会社にいた時)に感じていた、当時の日本の音楽シーンへの反動みたいなものがありましたね。
何より自分が聴きたいと思う様な音楽が少なかったんです。もっとアダルト層へ向けた音楽が表に出て来てもいいのではないかと。アダルト層へ向けた音楽というのは、ちゃんと存在はしているけれど、マーケットに出てくるのはやっぱり若年層向けになってしまうんです。それも勿論必要ですが、そういう音楽を作ってくれる人はたくさんいましたから、私がやる必要は無いです。だから、”売れ線”みたいなのを、自分から排除しようとしていました。(それまでがバリバリの売れ線の音楽制作に関わっていたからでしょう。)
制作についても同様です。メジャーではいろいろ問題を感じていましたから、それを変えてみようと必死になっていました。何をどう変えたかは、今となっては忘れてしまってる部分も多いですけれど。
TOMOというアーティストに出会い、彼女のCDを是非とも作りたいと数年前(メジャーに行く前)から考えていました。メジャーの現場へのプレゼンなんかもしてみた事があります。
彼女に恋愛感情とかは無かったですよ!念のため。(いろんな人から揶揄されました。「そういう目で見られるのか~」と、嫌な気持ちがしましたね。)ただ、「彼女の歌声には魅かれる物がある!聴いていて気持ちがいい!その魅力を是非とも多くの人に聴かせたい。」その思いがとても強かっただけです。
時代に左右されないように創っているので、今でも古さはないと思います。(いや、”ある意味”古いかな。)よかったら聴いてみて下さい。
その他の面では・・・
レーベルを立ち上げ、音楽制作以外のことで初めての事がたくさんありました。CDジャケット作りやプロモーション、販売路の確保など、制作以外の仕事に時間をかなりとられました。本当は逆にしたいんですけど、レーベルを主宰するとなると、なかなかそうも行きませんでした。
夜は制作費を補填する為に警備員のアルバイト、少し寝て昼間は制作やレーベルの仕事と、とても大変だった記憶があります。まだ体力もあったんですね。
いろんな人をまとめ、ゴールへ引っ張って行くというディレクタ的な仕事の大変さを実感しました。想定内ではありましたが、それでもストレスは溜まりまくりましたね。
(本作で私は、プロデュース・エンジニア(レコーディング、ミックス)・作曲・演奏(キーボード)・MIDIプログラミング・アレンジなどをしています。)
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