田舎の音楽 [Monthly Report 2014-06]
おそらく終の棲家となるこの富良野の奥地に引っ越してきて、静けさに心やすらぐ毎日である…。と思いきや、意外に音は溢れている。春から秋にかけてのこの季節は、生命に息吹とも言える様々な音が聞こえてくる。鳥や他の動物の鳴き声、虫の飛び交う音、風の音、沢のせせらぎの音…。都会ではあまり聞こえないか、聞こえていても気にも留めない音が何かを訴えてくる。
訴えてくるといえば…。鳥の鳴き声が「言葉」に聞こえる。音楽に聞こえないのが残念なのだが…。
ウグイス:「も~、キム・デジュン」「う~、トッポ・ジージョ」
ホーホケキョが一般的だろうが、ここらのウグイスは音節(ひとまとまりの音として意識される発音単位)が違うような気がする。一つふたつ多いのだ。
なぜ「キム・デジュン」なのか、「トッポ・ジージョ」なのか…。そう聞こえるのだから仕方がない。
多分ウグイスの別の鳴き声なのだが、ホーホケキョ以外にも続いて繰り返す鳴き方がある。
それは
「ベッピン、べっぴん、べっぴん…」
「スッピン、すっぴん、すっぴん…」
「シャッキン、借金、借金…」
などのように聞こえる。
ハト:「もっと~こ~ぼ~」
これは私がパン作りにハマっている事もあるからそう聞こえるのだろう。「もっと、酵母!」と。
カッコウ:「やっほー、あっほー…」
ま、ありがちですな。
あとは、どんな鳥か動物かわからないのだが
「そうでしょー」「剪定枝でしょー」
「い~よ~」
「みー、こん、てー(?)」
「えーっ?」
「ふだん」
などなど…。
幸いなのは、私には絶対音感は無いので「音程として聞こえない」ことである。
絶対音感を持っている人は、想像するに、かなり苦しい毎日を送らねばならないだろう。そういえば「絶対音感(最相 葉月: 著)」という本を持っていてずいぶんと前に読み始めたが、なかなか読み進められず途中だったことを思い出した。読み返してみようと思う。
後記
今窓から、毛虫の速歩きを見てしまった。多分、砂利の上が熱いから早く草陰に入りたいためだろう。にしても速い。秒速10センチくらいだ。田舎は面白い。